Web、アプリ事業企画・計画の作り方4 ー 購入率・客単価を計算しよう
前回「Web、アプリ事業企画・計画の作り方3 ー 登録率を計算しよう」
の続きです。
事業計画シミュレーションを作る際の、基本的な計算式、
流入数 × 登録率 × 購入率 × 客単価 = 売上
の購入率の算出方法です。
購入率の計算
購入率は、登録しているユーザーが商品の購入を行う確率になります。
購入率自体は、商品サービス自体の
商品自体のクオリティ、競合との差別化要素
購入ページへの遷移
購入ページの設計
等によって決まってきます。
競合商品の販売状況
同一商品サービスの販売データ
等から推定して算出します。
例えば、商品サービスの説明を受けた人が20人いたとして、そのうちの2人が購入すれば購入率は、
2人 ÷ 20人 = 10%
となります。
登録者の中から何パーセントの人が購入するかを推定する場合、こういったデータから考えていきます。
以前に別のサービスを実施していたときのデータも利用できます。
(例)
登録者数 10,000人
購入者数 1,000人
1,000 ÷ 10,000人 = 10%
購入率 = 10%
先の解説の数値もそうですが、シミュレーションの精度を上げたい場合は、定性・定量調査が必要になってきます。
商品サービスの検証のため、マーケティング企業と協力して、事前調査を行うことがあると思います。
その際に、こういった計算式の「率」や「数値」が割り出せるように、インタビューやアンケート、母数の大きい定量調査を行うことで、より確実な、「率」や「数値」を推定することが可能になります。
事業の企画段階から、こういった率や単価と計算式について把握しておくことが必要な理由の一つになります。
客単価の計算
それでは、流入数、登録率、購入率を仮定して、流入に必要な投資額と購入数を計算してみましょう。
流入単価 80円
流入数/月 50,000人
登録率 40%
購入率 15%
50,000人 × 80円 =4,000,000円(毎月の投資額)
50,000人 × 40% × 15% = 3,000人(購入者数)
毎月、400万円の投資で、3,000人の購入者が見込めます。
客単価/月が、1,000円ですと、毎月300万円の売上となります。
月額課金ですと、購入者数は毎月増加していくので、
300万 → 600万 → 900万 → 1,200万
と、売上も増加していくことになります。
しかし、この売上は、毎月の解約数は考慮に入れていません。
シミュレーションをExcelなどで組む際は、解約率も考慮にいれます。
また、シミュレーションにする場合は、初期の開発コストの減価償却、運用費等も入れますね。
そういった、条件を全て入れた状態で、1年~2年運用した場合のシミュレーションを作成します。
こういった計算を前提とせず、上層部にノリだけで「500円」と決められてしまったことがありました。
開発費、流入への毎月の投資等を考えると、シミュレーション上でも500円で黒字化することはほぼ不可能でした。
自分の事業のパフォーマンスを検証を行い収益化には、
毎月どれくらいの流入と客単価が必要なのか?
コストとして、開発費、運営費はもとより、流入に対する投資額についてもしっかりシミュレーションを行って、必要な客単価を把握しましょう。
次回は、これまでの数式を利用して、仮の事業計画シミュレーションを作成してみましょう。