バーチャ・プランニング4 - シミュレーションを作成する前提
バーチャ・プランニング4 - シミュレーションを作成する前提
前回「仮説をより具体的に考えていく」を検討しました。
ここでは、シミュレーション作成する前提についてお話ししたいと思います。
はじめに、シミュレーションを作る上で、なるべく確実な根拠に基づいたデータを元に、より確実な事業計画やシミュレーションを立てられることがベストですが、100%確実なシミュレーションを行うことは、まず不可能です。
いつも思うのですが、こういったシミュレーションって、「獲らぬ狸の皮算用」なんですよね。
実際にやってみないとわからない。
しかし、自分の考えた事業企画がどのような形で売上や利益を稼いでいけるかを前もってシミュレーションして、課題点を見つけ出し、論点を整理して解決、新たなアイディアを盛り込んでいくことはとても重要です。
また、投資判断を行う人達に対して、なるべく十分な額の費用が調達できるようにするためにも、シミュレーションは必要です。
ただ、あんまりにもリアリティを追求し過ぎてしまい、投資するメリットが小さく見えてしまうと、投資する意味が見いだせなくなります。かといって夢物語なシミュレーションでは信用を得られません。
この辺りのバランスも重要かと思います。
一度、シミュレーションを組んでみて、投資額の回収があまりにも先になってしまったり、黒字化が望めない、等といったことがありますが、その場合は、
自分の事業のどの部分が弱いか?
数や率から見つけ出して、
課題化、論点を整理して、解決策や新たなアイディアを盛り込み改善
していきます。
こういったシミュレーションは事業をスタートしたら、計画となり、目標数値となります。
シミュレーションを行って事業の成功可能性を判断して投資を行い、投資後はシミュレーション上の数値が目標数値となって事業を進めていきます。
可能な範囲でより確実な根拠を持つ数値や率といった要素を集めてアイディアを出し計画を作っていくことが重要です。
しかし、この部分の精度を石橋を叩いて壊してしまうように、あまりにも、シミュレーションにこだわりすぎて、事業そのものを否定してしまわないようにしましょう。
例えばなんですが、実際に他社で同じような事例があり、その要素を使用してシミュレーションしたとしても、
「当社でやったらわからないじゃないか」
としてしまっては、シミュレーションは組めません。
当社ならこの事業をどのように成功させるか?
といった視点で考えないと、いつまでたっても新たな事業企画は生まれません。
重箱の隅をつついて、粗を探すことが、経営側の仕事
といった考えや傾向の人をたまに見受けますが、こういった人達は一体何がしたいんでしょうね?(笑)
見つけ出した粗=課題点・問題点を、経営的立場から論点を整理して、解決の方向へもっていき、提案されている事業が成功できないかどうかを考えるのも経営者の仕事だと思います。否定するだけでしたら誰でもできますし。
このように、一言で事業シミュレーションといってもそこには色々な目的や意味が存在します。最後にまとめますと、
シミュレーション作成の際は
- 論点・課題点を見つけだして解決、新たなアイディアの盛り込む
- 投資したいと思わせる利益規模、内容を盛り込む
- シミュレーションは事業開始時の目標数値になることを意識する
- 石橋を叩きすぎて事業そのものの成功の芽を摘まない
今回は、以上になります。
次回は、実際に、シミュレーションに必要な要素を集めてみます。
続きはこちら → バーチャ・プランニング5 - シミュレーションに必要な要素を集める