ビデオ会議(リモート会議・テレワーク会議・テレカン)は何故やりにくさを感じるのか?
ビデオ会議(リモート会議・テレワーク会議・テレカン)は何故やりにくいか?についての検証と、対応索について検討したいと思います。
何故、ビデオ会議(リモート会議・テレワーク会議・テレカン)はやりにくいのか?
現在、色々な企業でのビデオ会議に参加していますが、やりにくい原因についてまとめてみると、
- 音質によって聞こえづらいことがある
- 誰かが話しているときにかぶせて話していくことができない
- 表情や様子、雰囲気が分からないため相手の賛成、反対、理解、不理解がわからない
といったことが上げられます。
マイクとカメラで取得した情報をインターネット回線を通して相手に送信しているので、やはり実際に対面で直接話す会議とは違い、画像や音質は格段にレベルが下がっていると思います。
また、自宅から繋いでいる場合等があるため、カメラを切って会議を実施している人達も多いと思います。
カメラをオンにしていたとしても、複数の人が写っている場合は、相手の表情などはわかりにくいですね。
果たして対面での言語による音声コミュニケーションは完璧だったのか?
以前こちらの記事で紹介した企業で言われたことで、衝撃だったことがあります。
ビデオ会議(リモート会議・テレワーク会議)で、ブレストなどディスカッションを効率的に行う方法
こちらの企業では会議の際は、プロジェクター2台でその日のアジェンダとリアルタイム議事録を表示して会議を行っていました。
発言した内容はすべてテキストにしてその場で確認して発言した内容に間違いが無いか、みんなが正しく理解しているかを確認しながら会議を進めます。
発言内容をテキスト化することで、発言に関連する次の発言は段落を下げてその発言テキストの下に内容を書いていくことで、論理的な検討を行うことが出来ます。
例えば、こんな形で書いていきます。
リモート会議では相手の表情が見えないから様子がわかりにくい
様子がわかりにくいとはどいうことか?
相手の理解、不理解
賛成なのか反対なのかの雰囲気
伝えるための方法は?
カメラをオンにする
カメラをオンにしてもわかりにくい
なぜわかりにくいか?
○○○○○○○○○
リモート会議では音声が聞こえづらい
聞こえづらいとはどんな状況なのか
途切れ途切れになる
なぜ相手に言わないのか?
話を遮るのが失礼だと思ってしまう
○○○○○○○
何故、こんな事をしているからというと、
「人間の言語による音声のコミュニケーションは、人が思うほど完璧ではない」
という考えに基づいているそうです。
話したことを相手が理解していると思うのは自分の主観。実は相手は理解していない場合も多い。
自分自身も後から考えて気がつくことも多いはず。
逆に相手の言っていることを理解できたと思っていても、実は理解できていない場合も多い。
相手が賛成だと思っていても、実は黙って頷いていただけで反対の場合もある。
等々。
こうして考えてみると、実はけっこう勘違いをお互いにしながら、人間はコミュニケーションをお互いに行っている。だから常に齟齬が発生していると考えた方が良いということでした。
徹底した効率化行っていた企業で、会議による齟齬、ディスコミュニケーションを極力減らすことについても最大限の努力をしていたので、この考え方に行き着いたのだと思います。
確かに、人間の言語による音声コミュニケーションは不安定ですし、不確かだなと思います。
ビデオ会議(リモート会議・テレワーク会議・テレカン)になったことで、それが余計に際立ってきたのだと思います。
ビデオ会議(リモート会議・テレワーク会議・テレカン)を契機とした会議コミュニケーションの新たな取り組み
話した内容をリアルタイムで自動でテキスト表示
現在、某企業のプロジェクト責任者の方と進めているのは、上記の考え方に基づいて、対面でもオンラインでも、会議でのディスコミュニケーションが発生しない方法を模索しています。
同じような取り組みをされている個人や企業も出始めてきました。
しゃべった内容、リアルタイムで字幕化して映像に合成 ビデオ会議が便利になるシステムに注目集まる
筑波大学大学院修士課程の鈴木一平さんが開発したこちらのツールは、話した内容をリアルタイムで画面にテキスト化して表示することが出来ます。
この画面をビデオ会議で共有することで音声での会話を補完して行くことが可能です。
実際に使ってみたのですが、少し癖はありますが、ゆっくり丁寧に話すことで音声認識の精度も良く、また、ゆっくり丁寧に話すこと自体が相手にとっては聞き取りやすくなるため有効です。
スタンプコミュニケーションの導入
Microsoft Teamsでは、挙手ボタンがあります。
これは更に発展させて、LINEのようなスタンプがあると良いのではといった意見もあります。
ビデオ会議の際は、チャット画面も常に開いておけるようにして、チャット上でスタンプを使用して賛成反対の意思表示をしたり、「意見があるので今の発言が終わり次第、次に話します」的なスタンプを表示したりと、コミュニケーションを補完するアイテムがあると便利です。
そろそろ、各社で実装しそうな気もしますが、LINEでのスタンプの普及を考えると、オンラインミーティングでも利用率は高いと思います。
アバターの導入
どうしても自宅からの接続ですと、部屋の様子などがわかってしまうため、恥ずかしいと言った声も多く耳にします。また、プライベートの保護もあります。
バーチャルな会議空間で自分の分身となるアバターを使用して会議することで、この問題を解決することができます。
既に、米Facebook傘下のOculus VRでは企業向けに正式に提供を開始しています。
Oculus VR、「Oculus for Business」正式提供開始 VRのビジネス利用を本格化
米Facebook傘下のOculus VRは5月21日(米国時間)、企業が業務にVR技術を利用するためのプラットフォーム「Oculus for Business」の正式提供を開始したと発表した。
顔の表情が伝わりにくいのですが、ハンドトラッキングの技術の進歩を考えると、目や表情から感情を読み取ってアバターに反映する技術の実現もそれほど難しくないように思われます。
2020年5月27日現在、日本では新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が解除されました。
とはいえ、今後も同じような事態が発生することにも備えておく必要があります。
またこれを機会に新たな働き方への取り組みを更に発展させていくことも重要だと思います。
今回の事態をチャンスととらえ、色々な創意工夫で、より働きやすい環境が実現していくことが、コロナ後の経済の発展にとっても重要だと思います。