アプリ企画・開発・運用の単価・費用~誰にでもできる簡単な計算方法をわかりやすく解説

2020年6月1日

アプリ企画・開発・運用の単価・費用~誰にでもできる簡単な計算方法をわかりやすく解説

最近は、アプリ企画、アプリ単価、アプリ企画開発単価といったキーワードでの流入が増えてきました。
何かとわかりにくい、アプリを企画開発する際の単価や費用についてわかりすく解説します。

単価といっても、アプリの販売単価ではなく、

アプリの企画・開発・運用費

についての解説になります。

アプリの企画・開発・運用費の元になるものは、ほぼ人件費

アプリやWebの開発費の大半は、人件費になります。
よほど特殊な機材や、アプリ内で使用する素材等にお金がかからない場合は、

企画・進行

制作・開発

運用

といった事に関わる人達の人件費が開発単価となります。

アプリ企画・開発・運用の人件費の相場

人材の質にもよりますが、現状では下記の単価になると思います。
もっとも、金額が高いからといって優秀というわけではありませんが、金額が人材の質を担保することも否定できません。
また、市場に対象とする人材が不足していれば供給不足となり、単価も上がります。
人件費の単価を出す場合の単位は、人月になります。
1人月というと、だいたい

1日8時間 × 月20日間 = 160時間

人を動かすことになります。
下記の説明は、外注した場合の人月で出しています。あくまで目安として考えて下さい。

・企画・進行
プロデューサー 80万円~140万円
ディレクター 70万円~130万円
プランナー 70万円~100万円
・制作・開発
デザイナー 60万円~100万円
イラストレーター 60万円~100万円
プログラマー 80万円~180万円
デバッガー 60万~80万円
・運用
ディレクター 70万円~140万円
ユーザーサポート 50万円~70万円
プログラマー 80万円~180万円

アプリの企画・開発・運用費の相場

開発するアプリの内容によって大きく変動します。
基本的には、関わる人達の人月によって決まってきます。

マーケティングやプロモーションから、収益化までの事業計画、アプリのコンセプトや基本となる企画などからお任せする場合は、プロデューサーの費用が必要になります。

アプリの企画ができておらず、詳細の企画が必要な場合は、プランナーが必要になります。

ある程度、マーケティングや企画が済んでおり、アプリの設計からお願いする場合は、ディレクター、デザイナー、プログラマーの費用となります。

アプリは作って終わりではありません。
不具合は必ずあるものですし、また、スマホのOSがバージョンアップされ対応が必要になることもあります。
問い合わせの対応や、アプリの更新作業等で、ディレクター、ユーザーサポート、プログラマーが必要になります。

各役職毎にどれくらいの月数がかかるかどうかは、本当にピンキリです。
これまでにない仕組みを持つ新しいアプリで、色々な仕組みを入れ込めばそれだけ月数はかかりますので、費用は増大してきます。また、アプリ開発の高い技術力や知見をもった人材も必要になります。

また、企画の変更等が頻繁に発生する場合、その分やり直しも発生するので、人月は加算されていきます。

例えばこのような形で計算していきます。
アプリの完成まで1年程度かかる場合です。

役職 人数 人月 単価 費用
プロデューサー 1人 4人月 100万円 400万円
ディレクター 1人 6人月 90万円 540万円
プランナー 1人 3人月 80万円 240万円
デザイナー 1人 3人月 70万円 240万円
イラストレーター 1人 3ヶ月 70万円 240万円
プログラマー 5人 8人月 120万円 4,800万円
デバッガー 4人 3人月 60万円 720万円
合計 7,180万円

例えば、プロデューサーが4人月で1年携わる場合は、1ヶ月当たりの稼働は、3分の1になるので、1ヶ月に6日~7日程度の稼働になります。ディレクターも同じ感じですね。
毎日つきっきりで携わらなければならない場合は、1人月必要になるため、12人月となります。

上の例はかなり大規模なアプリの場合ですね。
アプリの仕組みや内容が小さければ人月もそれだけ小さくて済みますので、少額になっていきます。

また、既にシステムが存在しており、そのプログラムのベースとなるフォーマットやテンプレートをもっている企業に依頼すれば人件費を大幅に削減できる可能性もあります。

アプリ制作・開発会社へ相談する際のポイント

複数の企業に相談をして合い見積もりを取ることをおすすめします。
また、その企業がこれまでどのようなアプリを開発してきたか、実際にダウンロードして見てみることも必ず行って下さい。

相場より安い金額の場合は、何かしらの理由が存在します。
例えば、他の制作会社では配慮してくれることをしてもらえなかったり、リリース後に色々なバグが見つかったりします。
高かろう悪かろうに引っかかる時は、大抵、こういった相場観とかけ離れて安い企業に発注したり、チェックを怠った場合に起こります。

依頼する制作会社へのチェック等をきちんと行わない企業は、逆にカモとして狙われますので注意して下さい。業界にはそういった企業のリストも存在します。

アプリ制作・開発社選びの失敗談

以前、某ベンチャー企業で海外向けECサイトのリニューアルを発注した際です。私が入社前に発注されていたのですが、とある個人事務所に発注しており、金額は700万円。上記のようやチェックを行っていたかというと、社長はそういったことにまったく無知だったため、行っていませんでした。
私の方でやり取りを引き継いでみると、ディレクターのコミュニケーションの質も低く、出てくる資料も適当です。これは、「ひっかかったな」と思ったのですが、なんとかリニューアルを進めていると、途中で彼らの能力では解決できないプログラム的な問題が発生。解決できないまま納品されてしまい、そのまま逃げられてしまいました。人の良い社長は騙されたとは思っておらずこういうことも起こるよねーって感じでした。
仕方が無いので、わたしが以前から付き合いのある大手開発会社の担当者を紹介して見積を取ったところ、400万円との見積。開発期間も大分短くすみ、クオリティも段違いで高かったことがあります。

競合プレゼン時の注意点

競合プレゼンを行わせる企業さんも多く存在しますが、基本的には提案にも人月が発生します。競合プレゼンに参加した企業さんにはそれ相応の謝礼を支払うことが必要です。こういった事をないがしろにすると、この業界はすぐにSNS等で噂が広がるので、腕のあるの企業さんに声をかけても断られることに繋がります。